ガバナンス・キャピタリズムの台頭:Curve DAO による 1,700 万ドルの拒否が示す権力構造の変容
2025 年 12 月、Curve DAO が創設者自身による 1,700 万ドルの CRV 助成金申請を拒否したことは、単なるガバナンス投票以上の意味を持っていました。それは、創設者主導の DAO 時代の終焉を告げると同時に、理想主義者も批判者も完全に予見していなかった、新たな形態の台頭を宣言するものでした。それが、コミュニティの感情や創設チームではなく、集中した資本が決定的権力を持つ「ガバナンス・キャピタリズム」です。
投票結果は反対 54.46%、賛成 45.54% でした。オンチェーンデータは不都合な真実を浮き彫りにしました。助成金に反対した票の約 90% を、Convex Finance と Yearn Finance に関連するアドレスが占めていたのです。2 つのプロトコルが、自身の経済的利益に基づいて行動し、TVL(預かり資産)25 億ドルのプラットフォーム創設者の提案を覆しました。
1,700 万ドル拒否の解剖学
提案自体は明快なものでした。Curve Finance の創設者である Michael Egorov 氏は、2020 年から Curve のコアコードベースを維持してきたチームである Swiss Stake AG への資金提供として、約 620 万ドル相当の 1,740 万 CRV トークンを要求しました。ロードマップには、LlamaLend の推進、PT および LP トークンのサポート拡大、オンチェーン・外国為替(FX)市場の開発、crvUSD の継続的な開発が含まれていました。
わずか 16 ヶ月前の 2024 年 8 月、同様の 2,100 万 CRV トークン(当時約 630 万ドル)の要求は、91% 近い支持で可決されていました。何が変わったのでしょうか?
その答えは、その期間におけるガバナンス権力のシフトにあります。Convex Finance は現在、ガバナンスの結果を決定する veCRV(投票権付き保護 CRV)全体の約 53% を支配しています。Yearn Finance や StakeDAO と合わせると、3 つのリキッド・ロッカー・プロトコルが Curve の意思決定機構を支配していることになります。彼らの投票は自己利益に左右されます。保有資産を希薄化させたり、好みのプールから排出量をそらしたりする可能性のある提案を支持することは、経済的な合理性がありません。
拒否されたのは、Swiss Stake が資金提供に値するかどうかではなく、「誰が決定を下すのか」、そして「どのようなインセンティブがその決定を動かすのか」という点にありました。