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297k TPS!Sui ネットワークの驚異的なパフォーマンス更新:スループットと確定時間を徹底分析

· 約3分
Dora Noda
Software Engineer

Sui Foundation は最近、一連のテストを実施し、Sui ネットワーク上のさまざまなワークロードに対する現在のピークスループットと確定時間(Time to Finality)を測定しました。発表から1年が経ち、Sui ネットワークはパフォーマンス面で大きく前進し、将来有望な分散型プロトコルとなっています。

主な調査結果

  • 100 のグローバルに分散したバリデータで構成される Sui ネットワークは、ワークロードに応じて 10,871 TPS から 297,000 TPS までのピークスループットを達成しました。
  • Sui の確定時間は約 480 ミリ秒で、トランザクションの高速確認が可能です。

パフォーマンス評価

Sui プロトコルのパフォーマンス測定のため、Foundation はハードウェア構成、バリデータ数、地理的分布、投票権分布がメインネットに極めて近い、グローバルに分散した環境を使用しました。テストは 100 台のバリデータ、24 コア AMD ハードウェア、256GB メモリ、25Gbps NIC を用いて実施されました。

プログラマブル・トランザクション・ブロック(PTB)でスループットを測定

Sui のコア開発者プリミティブである PTB は、複雑かつ構成可能なトランザクションシーケンスを実現します。PTB 内でチェーンされたトランザクションは原子的に実行・失敗でき、効率と表現力が向上します。各 PTB は最大 1,024 件のトランザクションをサポートでき、Sui は大規模ワークロードを処理し、ユーザーの手数料を削減できます。

スループット測定の課題

トランザクション・パー・セカンド(TPS)はブロックチェーンプロトコルの処理能力を測る一般的な指標ですが、PTB が秒間に何件実行されたかだけでは Sui の計算能力を正確に表せません。平均 PTB サイズが大きくなるとスループットは向上しますが、PTB/秒 の指標は変わらないため、Foundation は PTB 内の個別トランザクション数を秒間に実行された件数として測定する方針を採用しました。

確定時間(Time to Finality)

ブロックチェーンにおける確定性とは、トランザクションが不可逆的となり、変更や取り消しができなくなる時点を指します。本パフォーマンス更新では、トランザクション自体とその効果が最終的に確定し、以降のトランザクションで利用可能になるライフサイクル上の時点を測定しています。Sui の確定時間は約 480 ミリ秒で、95 パーセンタイルのレイテンシは約 550 ミリ秒です。

今後の最適化とスケーラビリティ

Sui プロトコルはパフォーマンス面で大きく前進しましたが、最適化とスケーラビリティの余地はまだ多く残っています。近い将来、Sui Foundation は以下の項目の改善を計画しています。

  • ベンチマークツールのスケーラビリティとカバレッジの拡充
  • 複数マシンに跨るバリデータ間スケーリングを実現する水平スケーラビリティ
  • 個別バリデータの低パフォーマンスに対するレジリエンス

Sui プロトコルが進化しパフォーマンスが向上するにつれ、Sui Foundation はコミュニティへ継続的にアップデートを共有し、フィードバックと検討を呼びかけていきます。圧倒的なスループットと確定時間を備えた Sui ネットワークは、分散型システムの世界に大きなインパクトを与える準備が整っています。